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- ブラットフォームスイッチングコンセプトとCADCAMオールセラミック上部構造物
右の図はインプラント体と骨や歯肉などの位置関係を示します。多くの研究で約1年後、インプラント周囲組織は一定のルールをもって、落ち着くと報告されています。落ち着く骨の位置(高さ)はインプラントシステムによりますが、インプラント体と上部構造(アバットメント)の継ぎ目から約1~1.5mm下です。ある意味、その高さまで骨が下がるのは仕方のないことだとされてきました。
ところが近年、そのインプラント周囲の骨の高さをできるだけ高い位置で維持する目的で開発されたインプラント体が発売されはじめました。その構造は『プラットフォームスイッチング』とか『プラットフォームシフティング』と呼ばれています。
このことは、前歯インプラントのような審美性を重視する部位では有利に働きます。骨を高く維持できることで、その上の歯肉のボリュームもアップすることができます。具体的な構造はインプラント体と上部構造(アバットメント)の継ぎ目にほんの少しのステップ(約0.2~0.5mm)を与えたものです。
最近では、その小さなステップがインプラント周囲の骨の維持において本当に影響があるのかを示す報告が数多く報告されています。下図は下段が従来型ストレート連結構造、上段がプラットフォームスイッチング連結構造の6カ月間の骨の高さの変化追った比較研究です。下段の従来型ストレート連結構造では4カ月ごろから骨の高さが低くなる状態を示します(赤色の点部)。それに比べ上段のプラットフォームスイッチング連結構造では骨の高さの変化はなく維持されているのが分かると思います。
あと、連結部におけるバクテリアの侵入をできるだけ最小限度に抑制するために、連結構造部の隙間精度も重要であると言われています。 また前歯部の歯肉を明るくみせるためには、できるだけセラミックによる上部構造(アバットメント)の方が審美面でも有利です。
以下は当院での審美インプラント治療で使用するインプラント体と上部構造物を示します。外科手術は当然重要なポイントとなりますし、さらにプラットフォームスイッチング連結構造が長期予後を安定化させ、CAD・CAMオールセラミックス上部構造体が審美性を演出してくれます。
(1)左上前歯のセラミック冠が根から破折しているために抜歯の診断となりました
(2)骨の損傷が大きくインプラント埋入にふさわしい骨のボリュームがないために、先だって骨移植のみ行いました。
骨移植から6カ月後、プラットフォームスイッチング型インプラントを埋入しました
(3)治癒後に型取りを行い、CAD・CAMオールセラミックス上部構造物を作製・装着しました。
(4)術前と術後の状態です。審美的にも満足できる結果となりました。定期検診時の術後レントゲンでは、インプラント周囲の骨頂は高く維持されています。プラットフォームスイッチングインプラントは前歯部で有効であると考えられました。