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- CASE4)アメリカ歯周病学会(AAP) 重度侵襲性歯周病患者における全顎的抜歯即時負荷インプラント
【患者】 |
29歳 男性 営業マン |
【主訴】 |
とうとう前歯がぐらぐらしてブリッジがはずれた。16歳ごろから歯周病だと言われてきたので、なんとかして欲しい。口臭も気になる。この際、きれいにしっかりと噛めるように治療して欲しい。 |
【来院動機】 |
自分でも悪いのはわかっていたが、忙しくてなかなか歯科医院に通院できなかった。かかりつけの歯科医院では、抜いて入れ歯しかないと言われた。そこでインプラントの相談をしたが、歯周病であることと骨が足りないので無理だと言われた。他の歯科医院も数件回ったがすべて同じような感じだった。仕事の関係もあるので、できるだけ早く固定式の歯が欲しい。インプラント相談で来院。 |
【当院での見解】 |
○ 全顎的に歯周病が進行し、ほとんどの歯が弱っている。一見すると、たくさんの歯が残っているように見えるが、ほとんどの歯において将来性はない。特に奥歯の咬合支持が失われているために、前歯に負担が集中しフレアーアウトしている(出っ歯な状態)。かみ合わせの崩壊を改善できるような治療計画を立てる必要がある。確かに、前医の言われるように奥歯の部分での骨量も十分ではない。そして患者の主訴である審美性の改善などを含め、総合的に考えると全顎インプラント治療が適切だと判断された。 ○ 全顎的にインプラント治療を行う場合、治療期間中の社会生活をどう守るかは重要なポイントである。多数の抜歯を行いインプラント治療を行うならば、患者様の仕事の関係上、早期に歯を入れる必要があった。そのために手術直後に仮歯を装着できる即時負荷インプラント治療を計画した。 ○ 長期的なことを考慮し、メンテナンス時に外して清掃することが可能なスクリュー固定式の上部構造ブリッジを計画した。 |
【初診時の口腔内】
確かにブラッシングの状態はよくないが、歯周病が発症した年齢(16歳)や現在の年齢(29歳)を考慮すると特異的な歯周病の病態であると考えられた(侵襲性歯周病)。
【初診時の口腔内】
奥歯の咬合支持の喪失により前歯部のフレアーアウトが認められる(出っ歯な状態)。あわせて咬合崩壊が認められる。
【初診時の検査】
重度歯周病のために、インプラント手術に備えて細菌検査など各種検査を行う。
【手術中】
上下顎に残っている17本を抜歯し、すぐに上顎5本、下顎4本、計9本のインプラント体を埋入した。固定度測定器でインプラント体の十分な初期固定が確認できたので、すぐに仮歯を固定し、手術直後から食事が可能な即時負荷(荷重)を行った。
手術から6カ月後、インプラント体と骨との結合を確認した後、最終仮歯の作製・装着を行った。この段階になってようやく、最終形態を煮詰めていく。下の写真は最終仮歯を装着した状態を示す。一定期間インプラント体の状態や、患者様の満足度を確認させて頂いた後に、仮歯と同じ形態を模倣して最終上部構造の作製に移行していく。
長期的なことを考慮し、メンテナンス時に外して清掃することが可能なスクリュー固定式の上部構造ブリッジを計画した。金属フレームは強度及び軽さと生体親和性を考慮し、純チタン製フレームを使用した。
患者様には機能面だけではなく、審美面も満足頂いている。
2年後の定期検診時のレントゲンでも安定したインプラントの状態が確認できた。
外科&補綴医 |
詫間俊夫 |
麻酔医 |
大下修弘 |
技工士 |
真鍋知房 |
手術管理衛生士 |
西紋弥和 / 辻美紀 |